全てが零から始まるなら
全ては零に終わるのか

相手に期待をしない事で
円滑に進む事が在る

でもそんな関係は虚しく
いつも不安に駆らる


築き上げた関係が
時と共に風化する

培ってきた関係が
一瞬で無に帰する


捉えて離さない恐怖感
捕えて放さない罪悪感


全てが望んだ末路なら
致し方なしで在ろうか


全てが望まぬ終焉ならば
いと哀しき事で在ろうか

砕けた儘変わらぬ心

強きを求め歩み続けた
時が絶てば良いのかと
歳を喰えば善いのかと
 
大人に成れば平気だと
賢く為れば大丈夫だと
本気で信じていたのに
 
何も変わらない
何処も進まない
如何も返れない
 
何時も同じなんだ
 
 
子供じみた儘
屁理屈を吐き
強がりを見せ
大人と威張る
 
嘘と虚勢を張り慣れ
罪悪と憎悪に駆られ
傀儡の様に振る舞い
脆さと弱さを隠し猶
 
大丈夫だとのたうつ
 
 
 
所詮道化なのか
所詮幻を追うのか
所詮馬鹿の一つ覚え
 
生きながらえても
変わらないなら屍と同じ
 
腐った未来に
吐き気がするよ

途惑い纏いし幼子と不条理な秘密を宿し母

母は言うた
 
「流るる時は常に変わらず
 
限り在る日に追われ猶」
 
僕は思う
 
「何故皆知らぬのだらう
 
何故皆気づかぬのだらう」
 
人は言うた
 
「万物は在るべくして
 
其処に存在している」
 
僕は思う
 
「在る事と居る事は
 
似て非なる物なのだと」
 
母は言うた
 
「如何に此処に在らうとも
 
居るが為は知られねばならん」
 
僕は思う
 
「僕が此処に在らうとも
 
君が処に居ないのだと」
 
人は言うた
 
「貴方は此処に無からうと
 
私の心に居続ける」
 

 
 
君が問う事を
 
辞めて等しく
 
僕が求めて
 
亡くした者を
 
 
自らとの相違を
 
喜び持って
 
認め合おうと
 
 
僕は言うた
 
「此の世にカエラレヌものはないのだと」

悲しみに咲く華は美しく 喜びに芽吹く華は輝かしい

移り行くは世の常と
 
変わり行くは人の性
 
 
流れ行く時の中
 
止まらぬ時を思うのか
 
過ぎ去りし日々に焦燥し
 
掴めぬ心に恋い焦がれ
 
朽ちぬ悲しみに暮れるのか
 
 
 
君が慕った日々
 
君が愛でた人
 
君が想ったその心
 
 
失う事を恐れるよりも
 
得た日々を喜ぶ事を
 
君が思うより深く
 
求める物は多く在り